墨田の老舗ガラスびん問屋

東京都墨田区立花に本社を置く「大川硝子工業所」は、1916年（大正5年）に創業しました。創業当初は、本所区押上（現在の墨田区押上）に工場を構えていましたが、何度か移転を繰り返した後、1951年に現在の場所に落ち着きます。

創業した当時は、主に点眼器具などのガラス容器の製造を行っていた大川硝子工業所。その後は、墨田区南部の下町情緒が色濃く残るエリアにて、医薬品だけではなく、食品や化粧品といった多種多様なガラス容器を製造・販売するようになりました。

ところが、1979年に公害規制によって工場の操業が難しくなり、業態を変えざるを得ない事態に直面。工場閉鎖以降は、国内のガラス製品製造工場に生産を委託し、長年培った経験と知識を活かした製品開発に取り組んでいます。

いままでもこれからもガラスびん一筋

東京の地場産業として知られているガラス製造業。とくに老舗の工場がある墨田区は、古くからガラスの製造が盛んな地域でした。業態変更をしながらも、代々ガラスびんの製造・販売に携わってきた大川硝子工業所も、その一員です。

現在は、ガラスびんの企画販売を行う専門商社として、オリジナル製品を扱っているほか、他社メーカーの製品も多数取り扱っています。主に、食品用や医療分野で使用されるガラスびん等の取り扱いをはじめ、印刷や塗装、ラベル製作などにも対応しています。

明治時代から流通していたガラスびんですが、日本国内で本格的に普及しはじめたのは、大正時代のことでした。日本におけるガラス容器の黎明期から、その製造と販売に携わってきた大川硝子工業所は、昔も今も変わらずガラスびん一筋の会社です。

レトロかわいいアイテムたち

日本で、ガラスびんの国内生産が行われるようになったのは明治時代のこと。それ以来、ガラスびんは保管容器として広く使用され、時代を超えて愛されてきました。ノスタルジーを感じさせるガラス容器も多く、大川硝子工業所のガラスびんたちも、ちょっぴりレトロなデザインが逆に新しいと人気です。

大川硝子工業所の自社ブランド商品として開発された「地球びん」も、レトロかわいいと評判のアイテム。1976年に発売されたこの球状のガラスびんは、コメダ珈琲店で提供されるジュースの容器として利用されています。また、水平リサイクルされて誕生した「BINKOP」は安定感抜群のガラスコップで、小さなお子様用のコップにも最適です。

地球環境に優しいガラスびん

美しいだけではなく、保存性能に優れ、劣化しにくいガラスびん。100年以上の歴史を持つ大川硝子工業所は、安全性が高く、毎日の暮らしに役立つガラスびんを販売しています。カラフルなガラスびんの蓋は、眺めているだけで気持ちがワクワクしてくるビビッドなカラーで、キッチンやお部屋を明るくしてくれます。

大川硝子工業所で取り扱っているガラスびんは、すべて国内製造されたもの。天然素材からできるガラスびんは、リユースやリサイクルしやすく、地球環境に配慮した製品を使用したいと願う方にとって理想的なアイテム。大川硝子工業所は、時代のニーズに沿いつつ、「人にも環境にもやさしい容器」を企画販売している会社です。

ガラスの主原料は、天然資源である珪砂（けいしゃ）、石灰、ソーダ灰です。たくさんの種類のガラス製品が存在する中、再資源化できるのは、天然資源から作られたガラスびんのみ。天然資源にホウ酸や鉛が加えられたガラス製品（ガラス食器、ガラス窓など）は、残念ながら再資源化できません。天然資源から作られたガラスびんは、リサイクル前後で用途を変えずに再生利用する、水平リサイクルが可能です。

判別するのがなかなか難しいようですが、再資源化できるガラスびんかどうかを見極めるには、ネジ口びんであること、びん底にギザギザ模様のナーリング加工が施されていること、そして、びんの側面に金型の合わせ目である縦筋のいずれかが入っているかどうかをチェックする必要があります。大川硝子工業所のガラスびんは、すべて水平リサイクル可能なアイテムです。